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映画「ザ・インタープリター」(2005)2015-06-15 Mon 13:27
原題:THE INTERPRETER
お気に入り度 ☆☆☆ 国際政治、アフリカの内戦などを題材にし、ニューヨークを舞台にしたサスペンス。 名監督シドニー・ポラックにしては、凡庸な印象でした。 二コール・キッドマンと、ショーン・ペンの鬼気迫る演技はよかった。 以前に一度見たことがあるのを忘れてて、また見てしまった。 印象に残らない映画に、たまにやってしまいます。 国連の通訳が、二コール・キッドマン。忘れ物を取りに通訳席に戻ると、アフリカの要人の暗殺計画を臭わす怪しげな会話を耳にしてしまう。暗殺犯に命を狙われたりするが、その通訳自身もアフリカ出身で、その要人に親族を殺害されていたりする。要人の警護にあたるのが、ニヒルなシークレットサービス、ショーン・ペン。数週間前に妻を亡くしたばかりだ。 アフリカの内戦や政争、それに伴う虐殺など、大きな問題に社会派シドニー・ポラックが焦点を当てた。 2008年に亡くなった同監督の最後の作品のようです。 アフリカ出身の通訳が、まさしく、ザ・コケージョン(白人)の、二コール・キッドマンなのは、アメリカ映画だからか。ともかくすごい美人で演技も一流なのはわかる。しかし、銃を片手にアフリカらしき荒野の中の道を歩いている姿が映っている写真を見ても、きれい過ぎてピンと来ない。社会派なのに、リアリティや泥臭さが感じられない演出だった。下手なテレビドラマ並み。 暗殺計画を聞いてしまった通訳の出身が暗殺対象の要人の国であり、家族を殺された因縁を持つと言う偶然もどうなのか。 そんな偶然が起きる確率は相当低いだろう。しかも、白人なのか。 で、アフリカの部族の習慣では、親族を殺害されたら、その犯人は一年後に川に投げ込まれ、親族はその犯人を溺れさせるか助けるか選び、溺れ死にさせれば、その後一生喪に服さなければならないという話を、二コール・キッドマンがショーン・ペンにするのだけど、この映画の焦点は、「死刑廃止」のほうにあるのだろうか。アフリカの内戦や虐殺の立場はどこに? しかも、ザ・コケージョンの二コール・キッドマンがいかに良い演技でアフリカの部族の習慣について話をしても、ピンと来ない。肌の色は別としても、人物の彫り込みというか、描写が不十分なのではないか。 最後は殺人未遂までした二コール・キッドマンが国外退去で済まされるのたけど、そんなことありえるのか。ショーン・ペンが隠蔽しきって無罪になるか、アメリカのことだから国内法で裁くかどちらかではないか。 悪の親玉は実は暗殺のターゲットなのだけど、迫力がなかった。これがブライアンデ・パルマ監督だったら、最後にニコール・キッドマンが殺害を諦めて銃をショーン・ペンに渡すときに、その銃を取り上げて、撃とうとしたところを、バンバンとショーン・ペンもしくは、他のシークレット・サービスに撃たれて死んでしまうとかになるかもしれない。 肝心のアフリカの内戦・虐殺についてなのだけど、単に題材とされているだけで、踏み込んだ話ではなかった。やはり、「死刑廃止」のほうに真の焦点があるのだろうか。 サスペンスとしてもあまり、ハラハラ、ドキドキはしない。先行きが読めてしまうし、意外性も少ない。カメラワークやカット割りを含む演出がいまいちなのか。ストーリー展開も、全体に、ゆるーいかんじ。ありそうもない偶然性に依存したストーリー自体にも問題がある。 スクリプトについても、あまり気の利いたものがなかったと思う。 「死刑廃止」的な部分の話だけど、犯人を死刑にしたら、遺族が一生喪に服さなければならないというのはどうなのか。遺族は一方的な被害者なのだが、理不尽ではないか。また、愛する親族が殺されたら、そんなこと言わなくても、心は一生喪に服してしまう、その苦しみに焦点を当てたほうが、分析が深いのではないか。そして、「犯罪」と「許し」の関係だが、世の中には許しがたい犯罪というものもあるところに、「死刑廃止論」の究極の論点があり、結論の出ないところ、「悩み」がありえるわけで、それについての踏み込みが全くないのはいかがなものか。ショーン・ペンが妻を事故で失ったときに、その責任のある妻の浮気相手について、最初は溺れさせたとしても助けないと言い、後でやっぱり助けることにする、というのだが、そもそも犯罪というよりは事故ではないか。溺れさせたとしても助けないというのも、あまり同感できない上に、後からやっぱり助けることにするといっても、上記の「悩み」とは異次元の話(故意でなく過失による責任)なのだから、当たり前っぽくて、全然、ピンと来ない。社会派と言われているシドニー・ポラック監督にしては、あまりにもずれてないだろうか。要は踏み込み不足。分析が表面的であるということに尽きる。 Yahoo映画 テーマ:サスペンス・ミステリー - ジャンル:映画 |
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