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月水金別館 映画れびゅー お気に入り度メモ (ネタばれあり)

個人的お気に入り度を☆で表しています。記録の都合上ネタバレのことが多いので、ご注意ください。

映画「殺人!」(1930)

原題:MURDER!


お気に入り度
☆☆☆++


ヒッチコックの白黒、トーキー時代の映画。
ストーリーはあってないような、非常に弱いものだが、演出に冴えがあり、さすがヒッチコックという出来。


ストーリーはつまらない。

美人女優が、同じ劇団の別の女優を殺した容疑で逮捕され、裁判になり有罪になる。死刑執行を待つ間、裁判の陪審員の一人、俳優の色男が、その有罪判決に疑問をもち、独自に捜査する。別の容疑者が浮かび上がり、問い詰めると、その容疑者が自殺し、女優の容疑は晴れる。

女優は殺人の現場にいながら、記憶がないという設定なのだけど、なんでか?設定が弱すぎる。別の容疑者を追い詰める過程も、大した努力もなく、なんとなくそうなってしまうかんじ。

陪審員の俳優の色男と、美人女優のロマンスも織り交ぜているが、どうってことない経緯。

というわけで、ストーリーは、ほんとにしょうもなく、薄く、疑問点多々ある。

それに比べて、演出の冴えはすばらしい。陪審の協議の場面は、主役の色男が最後まで有罪に疑問を呈し、「12人の怒れる男」的な流れになるのか、期待を持たせる。が、あんがい簡単に有罪に同意してしまい、残念。

ただ、その後、容疑者の女優が、ブランデーを飲んでいないことには明確に答えているのに、殺人については不明瞭な答えしかしていないことに気が付き、無罪を確信する場面は、なかなか良く出来ている。ラジオを聴きながらひげを剃っている間に気が付くのだが、表情の変化と心の中の独白でもっていくのが、この時代にしては秀逸。ラジオから流れる音楽を録音するのに、後から音楽を付け加えるという技術がない時代だったので、スタジオに30人のオーケストラを入れて同時に録音したとのこと。

真犯人が心理的に追い込まれる場面も、その経緯にはリアリティがないものの、表情の変化や間のとりかたなど、よく出来ている。

随所にカット割りや、場面転換、画面の構図など、時代を考えると、さすがヒッチコックと思わせる。



allcinema



テーマ:サスペンス・ミステリー - ジャンル:映画

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