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月水金別館 映画れびゅー お気に入り度メモ (ネタばれあり)

個人的お気に入り度を☆で表しています。記録の都合上ネタバレのことが多いので、ご注意ください。

映画「グラン・トリノ」(2008)

原題:GRAN TORINO


お気に入り度
☆☆☆☆++


わりとよかった。
クリント・イーストウッド監督の秀作。


朝鮮戦争で、残虐行為をしたことで、罪悪感にとらわれた老人(クリント・イーストウッド)が主人公。
その妻の葬式の場面から始まる。

人間的にどうかな?という孫たちや、子供たちとも仲良くできず、孤立し、一人で暮らす。
人種差別用語をバンバン使う、口の悪い偏屈じいさんだが、根は悪い人間ではなさそうだ。

あるとき、隣に越してきた、中央アジアの東洋系少数民族の家族の少年が、親戚のギャングたちにそそのかされて、老人のクラシックカー「グラン・トリノ」(フォード・トリノの1972~1976年生産のもの)を盗みに入る。
見つかって、逃げるが、その償いのために、老人のところで雑用をすることに。

また、老人は、少年の姉の少女をチンピラから救うが、それを機会に東洋系の家族と仲良くなっていく。
救う場面は、さすが元ダーティ・ハリーのクリント・イーストウッド一流で、カッコいい。
誰にも心を開いていなかった老人が、その家族に心を開いていくところが、ストーリーの主眼だろう。

老人のところで雑用をした少年は、老人の口利きで、工事現場で働くことに。
少年が成長していく様が、この映画のストーリーのもう一つのコアになっている。

親戚のチンピラに絡まれて、顔に煙草の火を押し付けられた少年を救うために、老人はチンピラの一人に「警告」をしに行く。それは上手くいくが、その後に、チンピラはマシンガン2丁ぐらいをもって、東洋系家族の家を銃撃して仕返しする。しかも、少年の姉をレイプしてぼこぼこにしてしまう。

レイプされてぼこぼこにされて血まみれで戻ってきた少女を見て、老人は復讐を誓う。
東洋系の親戚のチンピラ団をなんとかしなければ、少年と少女の未来は暗くなってしまう。

老人の復讐は、丸腰で、チンピラ団の前にでて、銃でも出すような感じで、上着の胸のところに入れた手をだし、チンピラ団に自分を銃撃させ、それを周りの家の人たちに目撃させて、チンピラ団を警察に逮捕させるというもので、少年と少女のまわりらからチンピラ団を排除することに成功した。これはまあ完全に予想できてしまったオチだった。

で、老人の遺書には、少年に「グラン・トリノ」を残すように書いてあった。最後は、「グラン・トリノ」を海岸線の道路で走らせる、ちょっと成長した少年の場面で、エンディング。


クリント・イーストウッド作品らしい、ストーリーで、後味は大体爽やかな感じだけど、ほろ苦さも残り、例えば、レイプされちゃった少女のことなどを考えると、かわいそうすぎて、なんだか手放しでは喜べないかんじ。


良い役の少女がレイプされて、ぼこぼこになってしまうと、観客は、もっと血なまぐさい復讐でないと、胸がすっとしないところだけど、そこを観客に媚びないのが、やはりイーストウッドらしさなんだと思う。観客に媚びて、チンピラ団をバンバン銃殺するぐらいだと、やはり、すっとはするけど、「名作」として映画史に残るような作品にはなりにくいかも。「ランボー」シリーズならそうするところで、それなら娯楽大作として良いだろうけど、人間てそんなに単純ではないし、世の中何でも上手くいくというわけではないから、観客を百点満点で満足させてしまうのてはなくて、腹八分目なのが、あとから段々と深さを感じていく感じで、いいんだよっというのが、イーストウッドの映画制作上の哲学なんでしょうね。

だからまあ、分厚いステーキを食べるような作品でなくて、高級日本料理的なかんじで、そこはかとない、雰囲気というか、情緒というか、そこそこな感じがまた良いみたいなそんなセンスなんだと思う。


だけど、私のような単純な観客にとっては、ちょっとフラストレーションの残る結末だった。このあたり、完全にすっきり、な作品が殆どのヒッチコックとは対照的。(ヒッチコックはたまたま私の好きな監督だから出しただけで、イーストウッドと比較するのは、次元が違うかんじだけど。)なんとなく、残尿感といったかんじ。まあ、残尿感が残るのがリアルな世の中といえば、そうかもしれない。


イーストウッドは、まったくもって稀有な存在で、監督としても俳優としても一流、観客を楽しませるツボも心得ている。高齢なのが残念。もっともっと沢山の作品に出演して、沢山の作品を監督してほしいところ。俳優としては、この作品が最後と言っているらしく、残念。


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テーマ:ヒューマン・人間ドラマ - ジャンル:映画

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