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月水金別館 映画れびゅー お気に入り度メモ (ネタばれあり)

個人的お気に入り度を☆で表しています。記録の都合上ネタバレのことが多いので、ご注意ください。

映画「海外特派員」(1940)

原題:FOREIGN CORRESPONDENT


お気に入り度
☆☆☆



ヒチコック監督の白黒時代の、国際政治サスペンスもの。


なにしろ1940年ということで、現代的な視点からは、物足りないのは致し方ないところ。

しかし、その中でも、ヒチコック一流のアイディアや、ストーリー展開など、片鱗が見える。


第二次世界大戦直前の時代、アメリカの新聞社の社長は、ヨーロッパから送られてくる、高官の公式発表そのままの特派員報(コレスポンデンス)に失望していた。そこで、国際政治に疎くて先入観がなく、元気の良い若い記者ジョーンズを、海外特派員として派遣することに。船に乗り、ヨーロッパに到着したジョーンズの最初の仕事は、民間の平和団体の重要人物ヴァン・メアにインタビューすることだった。その集りの会場に向う途中でヴァン・メアと知り合うも、肝心の会場では、ヴァン・メアの欠席が発表される。そして、ジョーンズは、平和団体の幹部の娘と恋に落ちる。

しかし、次のオランダの都市ハーグの会場では、入口のところで、ヴァン・メアは何ものかに暗殺されてしまう。犯人を追うと、オランダの風車が林立する農地でその車を見失ってしまう。その中で、ジョーンズは、本物のヴァン・メアを発見する。暗殺されたのは、替え玉だったのだ。しかし、警察は信じてくれず、ジョーンズは黒幕から命を狙われる。

この風車の場面は印象的で、私も前に見た記憶がある。

このあたりの、印象的なモチーフをちりばめるあたりはさすがで、40年代とはいえ、やはりヒッチコックらしい。
また、観光名所や風光明媚なものを織り交ぜるのも、観客を楽しませるのも、同様。

その後、ヴァン・メアを救い出し、黒幕の悪事を暴露するも、ヨーロッパでは戦争が始まってしまう。


最後は、アメリカに向う大きな飛行艇で、ジョーンズや、黒幕の平和団体の幹部と、ジョーンズと恋に落ちているその娘らが乗り合わせるが、開戦直後でドイツ軍に打ち落とされてしまう。黒幕の平和団体の幹部は、自分の行く末を観念したこともあり、また、打ち落とされた飛行艇の乗客を救う意味もあり、自ら海に身を投げて自殺してしまう。

主役の記者ジョーンズは、海外特派員として成功し、恋に落ちた黒幕の娘ともうまくいって、一緒にラジオなどでアメリカの参戦を訴える日々。ラジオ局での放送中に、空襲を受けるという場面で、エンディング。

めでたしめでたしながらも、ヨーロッパでの戦争は開戦したばかりで・・・という結末。


ヒッチコックのスパイもの、国際政治ものでいつも残念なのは、ストーリー立てが甘いところ。この映画で言えば、ヴァン・メアの誘拐は、条約の秘密条項をヴァン・メアから聞き出すためということなのだけど、それと開戦の関係とか、その重要性について、少なくとも見ている人が納得できるような説明がない。要は国際政治や諜報活動等の難しいことは観衆の理解を超えた高いところにあるという設定で、ブラックボックスにいれてしまい、それ以外の部分で楽しませようというスタンス。

ヒッチコックは国際政治的なこと、諜報活動的なこと、軍事的なことに関しては、とっても苦手だったのだと思う。他が素晴らしいだけに、いつも残念なところ。しかし、最近では別だろうが、当時の一般民衆はそんなもので十分だったのだろう。


一方、大西洋を渡る移動手段に飛行艇を使ったりと、おそらく当時の基準では最新のテクノロジーも見せていることも興味深い。


ストーリー上、より重要な位置づけにあるのは、主役の記者ジョーンズと、ある意味なさぬ仲だった悪役の娘との恋愛。反感を感じながらも内心憎からず思う男性から追いかけられる女性、いつしか二人は蜜月になるも、誤解から男性から離れようとする女性と、恋焦がれる男性の言い訳など、甘酸っぱい恋愛の機微をちりばめ、サブストーリーとして観客を楽しませるように作られている。こちらのほうがヒッチコックが得意な分野だろう。



この映画と同じ年に、不朽の名作「レベッカ」が公開されている。また、前年にも「断崖」が公開されている。


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テーマ:サスペンス・ミステリー - ジャンル:映画

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