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月水金別館 映画れびゅー お気に入り度メモ (ネタばれあり)

個人的お気に入り度を☆で表しています。記録の都合上ネタバレのことが多いので、ご注意ください。

映画「パラダイン夫人の恋」(1947)

原題:THE PARADINE CASE


夫殺しの罪で起訴されたパラダイン夫人の裁判をめぐって、担当した弁護士の姿を描く、法廷心理サスペンスの名作。


お気に入り度
☆☆☆☆☆


ストーリー自体は非常に単純だが、めぐる心理を克明に描き出し、その演出で見せる映画。登場人物一人ひとりの演技もまた見所。このようにストーリー展開自体が単純でもけして退屈しないのは、一つ一つのシーンが味わい深いからであり、シェークスピアの演劇を思わせる。シェークスピアが現代においても高く評価されているように、ヒッチコックもまた何百年たっても評価されるにちがいない。

邦題の「パラダイン夫人の恋」はあまりいただけない。ロマンティックな内容を連想させるがそういうものではないし、途中まで見ると邦題から先行きが予想できてしまう。原題は「パラダイン事件」「パラダイン裁判」「パラダイン係争」と直訳されるが、それも原題のニュアンスにはあわない。現代なら、カタカナで「パラダイン・ケース」と邦題がつけられるかもしれない。そうでなければ単に「パラダイン夫人」というタイトルのほうが、「の恋」とつくより良かったと思う。一押しはカタカナで「パラダイン・ケース」。

音楽もまた印象的で、同じくセルズニック製作ヒッチコック監督の「白い恐怖」なども思い出した。「レベッカ」「断崖」「汚名」など、どれも映画史に残る不朽の名作。


誤訳:
 裁判所の建物に "DEFEND・THE・CHILDREN・OF・THE・POOR・&・PUNISH・THE・WRONGDOER・" と書かれていてその日本語字幕が、「息子よ 貧しきを救い 罪人には罰を」となっていましたが、「息子よ」というのは明らかに誤訳で、THE CHILDREN は DEFEND の目的語だと思います。正しくは「貧しき者の子供らを守り、悪事を働くものを罰せ」。
 映画の英語字幕は、日本語として自然になるようにするなどのために、多少元と異なる訳をするのは当然有り得ることだが、こういう種類のケアレスミスや、単純に能力不足に起因すると思われる誤訳がときどき見られます。


テーマ:サスペンス - ジャンル:映画

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